クラウド時代のWindows10、Office 365

    今回は身近な話題のWidows 10とOffice 365についてお話しします。

Windows 10とは

    まずはWindows 10についてお話しします。Microsoftが数年おきにOS(基本ソフト)のバージョンアップを繰り返して来ており、その度PCの買換えをしたりとMicrosoftとPCハードメーカーが儲かる構図が出来上がっておりました。しかし近年のクラウド時代に対応すべくMicrosoftでは積極的にクラウド化、ソフトウェアのサービス化(ユーザーが使った分だけを支払う)という事業モデルに自ら変革を推進しており、Windows 10はそのクラウド化戦略から生まれた新しい時代のOSとなります。不評だったWindows 8を改良し、好評だったWindows 7の操作性(スタートボタン等)を復活させ、セキュリティーを強化した「いいとこ取り」したデザインでMicrosoftによると今後は違うバージョンに変化(XP→Vista→7→8)するのではなく、Windows 10を進化させていく、とされてます。

企業のIT環境では

    2016年に入り、日系企業のお客様から今年の取組み課題としてWindows 10へのアップグレードに関するご相談が増えております。企業のIT環境により簡単に答えは出せませんが、基本的な確認事項としては以下となります。
  1. Client-Server型の業務ソフトを利用していないか? 具体的には会計ソフトや業務系のソフトでユーザーのPCにソフトウェアのインストールが必要なシステムを利用しているか?独自開発のソフトウェアやデータベースがないか?
  2. ブラウザー(Internet ExplorerやChrome等)で古いバージョンを使わなければならないシステムを使っていないか?特に銀行のオンライン接続は要注意。
  3. VPN接続を使っているか? VPN接続のソフトがWindows 10に対応しているか? 特に日本本社や他の拠点へのVPN接続は要注意。

Windows 7 いつまで使える?

「最近買ったWindows 7のPC, サポート期間は2018年7月で終了?」
    皆さん良く誤解されているのがWindows 7のサポート期限です。「2020年1月」と認識されている方が殆どのようですが、最新のPCはIntelの第6世代というWindows 10に最適化されたCPUが搭載されており、折りしもその第6世代は2018年7月がWindows 7のサポート切れとなってしまいました。当初は2017年でサポート終了と発表されましたがあまりにも短期間ですので、批判を恐れ1年延長したようです。それでも2018年7月となるとこの記事が出版された頃からちょうど2年以内となります。これから買うPCのOSがWindows 7の場合、サポートされる期間が2年以内と認識されている方は少ないようです。
    「当社は2020年までにWindows 10にするので対応にまだまだ時間があります。」と構えられている会社は考え直す必要があります。やっとXPからWindows 7にアップグレードしたのにと、ため息を吐かれる方も多いでしょう。



Office 365って何?

    クラウド化に伴う「サービス化」がオフィスアプリケーションも同じように進化しており、Microsoftでは従来数年毎にリリースして買換え需要を狙っていた事業モデルを改め、ユーザーが使用した分だけ支払う云わば「サブスクリプション形式」として提供しているのがOffice365です。メリットとしては以下となります。
  • PCとセットされたOfficeソフトや別途購入する必要性が無くなる
  • 常に最新のオフィスを利用できる(現時点ではOffice2016)
  • プロフェショナルや企業向けには1ユーザー最大5台(ダウンロード版)を使える
  • メール付きプランでは、メールボックスが50GBと大容量のサービスが付いてくる
  • One Drive(クラウド型ストレージ)が各ユーザーに1TBアサインされる
  • eDiscoveryのコンプライアンス(企業向けプランに限定)
  • プランにより月額$8~$20ととてもリーズナブルな料金体系。従来のメールサービスをOffice365に移行するだけでも大きな費用対効果が期待できる

拡張性のあるOffice365

    Office365の魅力としてはSharePoint(情報共有システム)、CRM(顧客管理システム)、Power BI(ビジネスインテリジェンス)、Skype for Business(クラウドPBX)等の社内の情報基盤を強化できるシステムを独自に構築しないで利用できる事も企業ユーザーにとって大きなメリットとなります。
    ここで注意したいところはクラウド化を推進する上で社内サーバーとの連携、ユーザーのアクセス管理等をしっかりと計画・設計・運用しないとセキュリティーの問題が発生したり、システムの機能を有効活用できないケースが多いので専門家のサポートやコンサルテーションを受ける事が肝心と言えます。

日系企業における留意点

日本の本社が、Office365の導入を推進する企業が増えており、グローバル展開として日本でドメイン管理を行い海外拠点に展開するケースでは日本やシンガポールのMicrosoftのデータセンターにて運用され、技術サポートも日本が窓口となります。その場合の留意点としては以下となります。
  • 個人情報取扱いのコンプライアンス…データがクロスボーダーにて運用される場合、国によっては個人情報の取り扱いのコンプライアンスに抵触する可能性がある。
  • eDiscovery対応…前回の記事にてご紹介したeDiscoveryの対応へも影響が考えられます。
  • 技術的に問題が発生した場合、特にサポートの技術者とお話したい場合に時差の影響を受けるので、日本時間でサポートを受けるという覚悟が必要。

PCもサービス化?(PC + Office 365)

    更にクラウド化が進んでいる企業では煩雑なPC端末のライフサイクルサポートをアウトソーシングする傾向が高まっています。PCの更新時に発生する一連の作業(計画・調査、見積もり入手、稟議、調達、経費処理、データコピー、データ破壊、機器廃棄、ヘルプデスク業務)に加え、長年続いたWindows XP時代から最近Windows 7→Windows 10と回数を重ねる毎に経費が増大している事も背景にあります。
    PC端末と上記のライフサイクルサポートをサービス化すると、以下の効果が期待できます。
  • 煩雑なPC端末のライフサイクルサポートを全てまとめてアウトソーシング
  • PCハード、ソフトの資産管理
  • TCO(ライフサイクルを通じての総所有コスト)の削減
  • CAPEXからOPEXへ(減価償却資産を経費化)
  • 資産のオフバランスによるバランスシートの改善
  • 煩雑なPCライフサイクル業務から開放され、本業に専念
以下の表は弊社が提供するManaged PCサービスの費用対効果の例



MultiNetではMicrosoft認定のCSP(Cloud Solution Provider)として上記の紹介しました各サービスの提供をしております。ご興味あれば何時でもご連絡願います。

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